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当たり牌を当てる前に。「誰に安全か」を見つける【守備1】

対面の河に7萬と東、上家の河に東と3筒がある場合、二人に共通する現物は東。 麻雀の基本と考え方
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リーチが入ると、どの牌も危なく見える。それでも、まず探せる確かな情報があります。相手の手を透視する代わりに、その人がロンできない牌を整理するところから守備を始めましょう。

連載:相手の手を読む前に。守備の5レッスン / 第1回

この回でできるようになること

現物を相手ごとに分け、手を進める場面と守る場面で牌の選び方を切り替えられる。

日本の四人打ちリーチ麻雀を想定します。萬・筒・索は牌の種類です。図と問題は条件を絞った学習例で、全手牌を示さない例は最善打の判定を目的にしていません。

読みの出発点は、予想ではなく事実

麻雀の守備と聞くと、捨て牌から相手の手牌を言い当てる技術を思い浮かべるかもしれません。しかし、隠れた十三枚を一つの形に決めつけるほど、外れたときの判断は脆くなります。初めに使いたいのは、見えている捨て牌とルールから言えることです。

たとえば対面が七萬を捨てています。その人に対して七萬は現物です。七萬が待ちに含まれる完成形になっていても、自分で七萬を捨てているためフリテンとなり、七萬でロンできません。この根拠は相手の表情にも打ち方の癖にも依存しません。

一方、「字牌を早く捨てたから速そう」「この筋なら通りそう」は推測です。推測にも役割はありますが、まず事実を置き、その後に不確かな材料を重ねる。この順番を覚えるだけで、守備の説明がかなり明確になります。

現物は「この人にはロンされない牌」

現物を安全牌と呼ぶときは、誰に対して安全なのかを省略しないことが大切です。対面の七萬が、上家や下家にも安全とは限りません。同じ卓にいる三人は別の手牌を持ち、別々の捨て牌を作っています。

リーチをかけていない相手についても、自分で捨てた牌ではロンできないという点は同じです。ただし、相手がテンパイしているかどうかは別問題です。「現物がある」ことから「相手はテンパイしている」と逆向きに推測しないでください。

また、ここでの安全はロンに対するものです。現物を切っても相手にポンされることはありますし、次に相手がツモアガリすることもあります。放銃しない選択と、相手のアガリを止める選択は同じではありません。

三人の安全牌を、頭の中で別々に並べる

二人からリーチが入ったとしましょう。対面の河に七萬と東、上家の河に東と三筒がある。自分が七萬・東・三筒を持っているなら、東は二人に共通する現物です。七萬は対面だけ、三筒は上家だけに根拠があります。

この場面で「七萬は通っているから」と一言で決めると、上家への危険を見落とします。「対面には現物、上家には未確認」と声に出すつもりで情報を二列にすると、使うべき牌の優先順位を整理できます。

もちろん下家も残っています。二人に共通する現物だから卓全体で絶対安全、とまでは言えません。全員に対してロンされない根拠がある牌なのか、最も切迫した相手への対策なのかを区別しましょう。

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リーチ後に通った牌も、理由を理解する

相手がリーチした後、他の人が五索を捨て、そのリーチ者がロンしなかったとします。その後の五索は、そのリーチ者に対する安全の根拠になります。もし待ちだったのに見逃していたなら、リーチ後の見逃しによるフリテンが続くからです。

リーチ前の相手に同じ推論をずっと使うことはできません。一時的なフリテンは解消されますし、手替わりもあります。「前に誰かが通した」だけで、何巡も後まで安全扱いするのは危険です。自分で捨てた牌と、他人が通した牌を混ぜないようにします。

鳴きが入ると巡番や直後の状況が変わり、同巡内フリテンの追跡は初心者には難しくなります。この連載では、まず相手自身の捨て牌と、リーチ後にロンされず通った牌を確実に確認する練習から始めます。

卓を見ながら次の一手を考える大人のイメージイラスト
制作イメージ:もっといいこと(AI生成)。実際の牌姿・手順を再現した写真ではありません。

守ると決めたら、できた面子も候補にする

自分の手の二三四筒がきれいに並んでいると、崩すのが惜しくなります。しかし、アガリを目指す方針から放銃を避ける方針へ切り替えたなら、完成した面子も安全牌の保管場所です。四筒が現物で、孤立した九萬の安全性が不明なら、守備だけを考える場面では四筒を候補にできます。

「端の牌だから安全そう」という印象より、現物という確かな根拠を優先するのが基本です。孤立牌を捨てれば手は進みますが、手を進めることがその局の最優先でなくなる場面もあります。

ただし、リーチが入ったら常にオリるという話ではありません。自分が良い待ちのテンパイか、まだ遠い手かで判断は変わります。押すかどうかは第5回で扱います。ここでは、オリる方針を選んだ後に手の形へ未練を残さない練習をします。

安全牌は一枚先まで見る

現物が二枚あっても、見つけた順に切ればよいとは限りません。片方が二人の攻撃に共通する現物で、もう片方は一人だけに安全なら、次の巡目に使える牌の数も違ってきます。手元の安全牌を数え、残りの相手の攻撃状況も見ます。

たとえば現時点で攻撃が明確なのは対面だけでも、上家も二副露している。対面だけの現物を今使い、二人に共通する現物を残す考え方があります。ただし、その牌を先に切ることで鳴かれる可能性や、その場の巡目もあるので、固定の正解として覚えないでください。

守備に慣れる最初の段階では、複雑な順番より「次の一枚もあるか」を確認できれば十分です。次に安全牌を引けなかった場合まで想像すると、いま無理に形を残す必要があるのかが見えてきます。

練習室:二人目のリーチで、安全の地図を書き直す

あなたは守備を優先すると決めています。対面の河には二萬・七萬・東、上家の河には三筒・東。手元に七萬二枚、三筒一枚、東一枚があるとします。ここでは下家の攻撃情報はなく、対面と上家へのロン回避だけを比べる部分問題です。

対面だけがリーチしている段階なら、七萬と東はどちらもその相手の現物です。上家からもリーチが入ると、七萬は上家について根拠がなく、東は二人に共通します。手元の牌は変わっていなくても、相手が一人増えたことで、同じ牌の意味が変わりました。

続いて、別の人が三筒を切り、対面がロンせずに通ったとします。それが対面のリーチ後なら、三筒にも対面への根拠が加わります。上家についてはもともと自身の河にあるので、三筒も二人に対する安全候補になります。「誰に・いつ・どう通ったか」を見て更新するわけです。

一方、対面がリーチするより前に誰かが三筒を切っただけなら、同じ更新はできません。その後に手を入れ替えたり、一時的なフリテンが解消したりする余地があります。通ったという結果だけを記憶せず、そのときの相手の状態を一緒に覚えましょう。

実卓で頭の中に表を作るのが大変なら、最初は攻撃者の人数だけ声に出さず数えます。一人なら一つの河、二人なら二つの河へ目を移す。この小さな動作を習慣にすると、一人への現物を全員への安全牌と勘違いするミスを減らす助けになります。

なお、この問題は押し引きの最善打を決めるものではありません。自分の全手牌や点数を省いているためです。相手ごとの安全の根拠を分類する練習として使い、実戦では第5回の自分の手の価値も合わせて考えてください。

牌譜では、放銃した一枚より前に戻る

放銃の場面だけを見ると、当たり牌を切らなければよかった、で終わってしまいます。少し前に戻り、現物があったか、誰に対する現物だったか、自分が何を目指していたかを確認しましょう。

安全牌を切る選択肢があったのに「九だから」という印象だけで別の牌を選んでいたなら、次の対局で変えることが明確になります。現物が一枚もなく、比較材料が限られていたなら、単に放銃した結果だけで判断を否定しないことも大切です。

記録するなら「対面リーチ/自分は二向聴/現物の四筒あり/九萬を選択」のように短く書きます。次に同じ状況が来たときに、判断を再現できる情報を残してください。

自分で考えてみる

問題

対面の捨て牌に七萬と東、上家の捨て牌に東と三筒があります。二人ともリーチ。自分の手に七萬・東・三筒がある場合、二人に共通する現物はどれでしょう。下家については情報がないものとします。

考え方と答え

東です。七萬は対面の現物ですが上家への安全は未確認、三筒はその逆です。東も下家への安全まで保証するものではありません。「二人に共通する」と範囲を添えて答えられれば、この回の大切な区別ができています。

出典を読む:ルールが支える部分、推測が残る部分

対局者がすでに切っている牌。

日本プロ麻雀連盟「初級/麻雀用語辞典」・現物

現物の定義を起点に、本文では「誰に対してロンされないか」を分けて説明しています。安全の理由には、M.LEAGUE公式戦ルール第5章第5条のフリテン規定を参照しました。

ルール参照:M.LEAGUE公式戦ルール。本記事の図解・比較問題・判断手順はもっといいこと制作です。

出典確認日:2026年10月25日。引用部分は枠内に区別して示しています。出典の定義・ルールから導く説明と、局面に依存する判断を分けてお読みください。

相手の手を読む前に。全5回

→ 第1回:当たり牌を当てる前に。「誰に安全か」を見つける

第2回:スジなのに当たるのはなぜ?両面待ちだけを消す考え方

第3回:四枚見えたら何が消える?壁と残り枚数の読み方

第4回:捨て牌は物語より手がかり。手出し・鳴き・染め手を読む

第5回:押すか、オリるか。その一枚を切る前に考えること

この特集の入口・学び方を見る

自分の手を育てる練習は手牌を育てる、5つのレッスンへ。復習用の本や道具は麻雀の本・道具ガイドにまとめています。

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